top of page

川口監督からのメッセージ

「目指す野球は心の野球」

三島

 沼津リトルが発足し29年目となりますが、私自身も29年間、沼津リトルリーグに携わってきました。29年間には思い出に残る大会および試合がありましたが、必ずしも勝利した試合だけが思い出となって印象に残っているわけではありません。ここに、いくつかの思い出を紹介させていただきます。

 

 ある大会では、登録選手が9人で臨み、試合開始と同時に主審から「10−0のコールド負け」を宣告され参考試合になったこともありましたが、9人の選手は勝ち負けよりも沼津リトルの楽しい野球を、試合の中でやり通してくれたことが今でも忘れられません。辛い時期を繋いでくれた卒団生がいて、今の選手に繋がっていることを忘れてはなりません。

 

 また、ある年のチームは、新チーム初の試合で52対0の結果で負けてしまいました。攻めが5分、守りが1時間となり、試合途中でギブアップ宣言をしたい気持ちもありましたが、子供達が必死で頑張っている姿を見て、私の思いで試合を中止することはできないと思いました。

 そんなチームも練習に練習を重ね、翌年の東海大会では初の1勝を全員の力で掴み取ることができました。選手はじめ、父母会共々勝利を賞賛し共に喜びを分かち合いました。

 

 また、ある試合では、最終回1対0でリードされ、2アウトランナー無しからチャンスをつくり、それまでの試合を含め連続5三振の選手が逆転の2ベースを打ち、サヨナラ勝ちした試合もありました。選手を信じて打席に立たせた事、最後まであきらめない事を、自分自身が選手から教わった気がします。

 

 このように、まだまだ29年分の思いでは語り尽くせませんが、忘れてはいけない事があります。それは「お世話になっている方々の協力があって好きな野球がやり続けられる事」を選手に言い続けています。ある選手の野球ノートに「感謝の気持ちを忘れずに野球で恩返しする」と書かれていました。それはヒットを打って、好プレーをする事だけではなく、選手がグラウンドの中で笑顔を絶やさずに、元気にグラウンドを駆け回り、楽しい野球をやり続ける姿を見せる事が恩返しだと私は思います。これからも今まで沼津リトルで学んだ野球を次のステージで存分に発揮して欲しいと思います。

 

2015.10.24

沼津リトルリーグ

川口 智

bottom of page